2017.05.22
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働き方改革インタビュー Vol. 1(後編)「サッカーに学ぶシンプルなルールの働き方」~インテージホールディングス代表取締役社長・宮首


前編に続き、インテージグループのトップを務めるインテージホールディングス社長・宮首賢治(みやくび けんじ)に、「インテージグループ『働き方改革』プロジェクト」マネージャー・松尾重義(まつお しげよし)が、これから一緒に考えていきたい「働き方」を聞きました。


松尾:
同じ時間・場所で働くことが安心感を生んでいる側面や、時間内で成果を出さなくてはという考え方もありますよね。やはり「違いを認める」ことが必要ですね。
宮首:
まさにそこがダイバーシティーです。ダイバーシティーというと人種や性別についての話になりがちですが、人によって違う時間の使い方を認めることも、究極のダイバーシティーだと思います。
担当している仕事によっては、オフィスに来ざるを得ない人もいるでしょう。職場によっては「会社に来なさい」という所もあるでしょう。「自分は出社しなければならない。在宅の人はいいよな」という発想だと、この取り組みは続きません。
「それぞれがよい働き方をし、チームに貢献し、それを理解する」という寛容が、最大のカギになると思います。自分の境遇を悲しみ、他人の境遇をうらやむようになってはいけませんね。自分に与えられた役割とその必要性なのだと理解してもらいたいですね。
松尾:
それこそが自律しているプロフェッショナルとしての姿ということですよね。クライアントのためにオフィスで働いたほうがよければ来るべきですし。
宮首:
そうですね。その発想ができるのが高度な組織だということでしょう。

松尾:
グループとしてコミットしていくことはありますか?
宮首:
できる限り、細かい規則は作りたくないと思っています。
たとえば、サッカーはルールブックがものすごく簡単です。反則の種類がいくつかあるという程度。ルールブックには細かく書かれていないけれど、「非紳士的」であったときは審判が笛を吹いてよいということになっています。このことを選手たちが理解した上で、サッカーの試合は進みます。ルールが単純。だから世界中でプレーされています。汚いプレーは見ている観客やチームメイトからも非難される。こういったところから学ぶべきことは多いと思います。
松尾:
信頼関係をベースに進めていくということですね。
宮首:
信頼関係を前提に、必要最低限のルールを決めておけばいいと思います。「この規則が不条理だからまた新たな規則を作る」では、ルールのお化けになってしまいます。もしそちらのほうがよいということであれば、定時にみんなで出勤する方がよっぽどいいですね。
「ルールを明文化しなくても、みんなが理解しながらクライアントやチームのために動ける・・・」これが理想で、細かいルールを作るつもりはないということを、あらためて言いたいと思います。
最後に。働き方担当推進担当役員の仁司さんとも話したことがありますが、もしかしたら働く場所を選ばない「どこでもワーク」というのは、将来的は「いつでもワーク」になるかもしれない、ワークライフバランスという概念を越えていくかもしれないと考えたりしています。
これまでは、オンとオフを切り分けましょうという投げかけで働き方の議論が進んでいましたが、むしろ一体化することがあるかもしれない。それが「いつでもワーク」というかたちなのだと思います。当然、法律は順守していくけれども、人によってはオンとオフの境目がなくなるかもしれないですね。
経営者は労働時間という概念で働いているわけではなく、その意味では、仕事はいつでもしている状態です。いつでもどこでも考えているし、むしろ、会社に来ている時間以上に仕事をしているかもしれないですね。社長は仕事とプライベートを切り離すことはできません。総理大臣もそうですよね。やがて、みんながそうなっていくかもしれません。法律や、社会の理解などといった点はありつつも、そんな時代が来るかもしれないですね。

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カテゴリ:働き方