ITスキルがゼロからの挑戦──「負けず嫌い」を推進力に変え、医療データの可能性を拡げる 【from talentbook】

薬学部を卒業したのち、大学の同期とは少し異色な「医療データ」の世界へと飛び込んだ高木 かれん。インテージリアルワールドという会社に何を求め、そしてどこに向かおうとしているのか。サービス理解を深め、コミュニケーションを通して医療の未来を広げていく高木の背中を追います。
薬学からIT業界へ。データを活用して医療現場を支えていく

▲大学の研究室にて(中段 向かって右端が高木)
大学では薬学を専攻していました。過去に家族が病気を患った時に感じた「やっぱり医療の力はすごい」という印象が強く、治療においても健康維持にも重要な役割を果たす薬のことをもっともっと学んでみたいという想いがあったんです。また、もともと抱いていた「困っている人を助けたい、自分が引き上げるお手伝いをしたい」という想いなどが重なって、薬学部に進みました。
そして、大学のカリキュラムにあった医療機関での実習で、電子カルテはあるもののデータに強い人が現場にあまりおらず、「どこまで活かせているんだろう」といった疑問が出てきました。また、紙で管理されている情報がまだまだ多く、それゆえに業務が煩雑かつ増えているという状況も目にしていて。当時はコロナ禍であり、医療データの重要性が注目されるようになってきた時期でしたから、これまで紙で管理されていた情報のデジタル化が加速されていく世の中の流れを認識し、「このデータを使って自分に何かできることはないかな」と考えるようになっていきました。
一方で、実際に働いている人に聞いてみると、課題と認識されていないことも多いように思いました。そこで、現場から少し離れたところで第三者が見て、データ活用について考えるというのもよいかもしれない。そんな風に思って、就職活動をするタイミングで医療データ関係の会社を検索していたところ、インテージリアルワールドという会社を発見しました。レセプトのデータを扱っているIT企業で、新規サービスの立ち上げにも積極的だと聞き、私自身も携わってみたいと思って挑戦しました。
正直、プログラミングを含むITの知識や経験はゼロでした。でも、だからこそ挑戦する価値があると思ったんです。とにかく一歩を踏み出せば業界のことがわかるし、これから自分がどういう価値を発揮しているかも具体化されていくかもしれない。また、未知の分野だからこそ新しい価値を見出したり、つないだりすることができるかもしれないと考え、思い切って飛び込みました。
「迷ったら難しいと思った方へ」。+αの価値を出す意識で自分を変える

▲1人海外旅行にチャレンジした時の写真。アイスランドの氷河にて
もともとの性格としては、新しいことに対して悩んで尻込みし、自分のできる範囲のことに取り組むというところがありました。でも、自分のできること、いわゆるコンフォートゾーンの中で過ごした結果、壁にぶち当たった時に乗り越えられず、後悔だけが残った経験を大学受験の時にしました。
受験までにもっと勉強を頑張っていたり何かに打ち込んでいたりしたら、受験が失敗しても後悔しなかったのではないかと思います。なんてもったいないことをしてしまったんだろうと思いました。そこで、自分が「難しい」と感じたり、「これまでの自分の世界にはない」と思ったものに、取り組んでいきたいという意識が芽生えました。
とはいえ、いきなり変わることは難しいですよね。たとえば、大学に入って始めた化粧品販売のアルバイトでも、最初は言われたことをやるだけの日々でした。でも、後輩ができた時に「憧れられる存在になりたいな。ちょっとカッコイイなと思ってもらえる人になりたいな」という想いが芽生えたんです。
また、できる範囲のことだけに取り組む自分から脱したい想いも再燃し、「自分が言われたことに対して+αで価値を出す」ことを考え行動していくようになりました。+αを意識し、ただ商品を求められて売るのではなく、お客さまとの会話からお悩みを聞き、お客さまに合うものを提案していく中で会員数も増えていき、結果にもつながりました。
そうやって、自分のそれまでと違う行動をとってみた結果、新しい世界というか自分の視野も広がる感覚を得ることができて、あらためて新しいことや難しそうだとあきらめてしまいそうなことに思い切って飛び込んでみたいと思うようになったんです。それから、より「迷ったら難しいと思った方へ」ということを意識して行動しています。
サービス理解を深める──周囲を頼り、自分の性格を仕事に活かしていく

▲同僚との休憩時間にて(中央が高木)
新人研修を6月に終え、10月末までOJTとして開発の部署を回り、自社サービスの理解を深めているところです。医療データがどのように作られているのか、自社ではどのようなデータを扱っているのかということを実際にデータを触りながら覚えている段階です。先輩方はフランクで質問もしやすく、働く環境としてはとても良いです。自分の意見を伝えやすく、風通しの良さがあることという点を重視して会社を選び入社を決めたのですが、入社して日が浅くても自分の意見を伝えれば聞いてもらえ、受け入れてもらえるので、入社前とのギャップなく過ごせています。
具体的な業務内容としては、製薬会社向けにマーケティングの資料を作成したり、複数のデータを組み合わせて実際に薬がどのように使われているかを判定したりする業務をしています。
1つの薬であっても複数の疾患に使われることはよくあります。一方、その製品を販売している製薬会社側からみると、その薬がどのような疾患に対して使われたかを知ることができません。そこで、処方箋や保険のデータなどを掛け合わせて機械学習を用いてデータを判定し、具体的な用途を調べています。……というと深く理解しているようにみえるかもしれませんが、わからないことだらけで悩む毎日です。
負けず嫌いなので人に自分から「教えて」とうまく言えないところがあるのですが、うんうん唸りながらわからないことに取り組んでいたり、無理をしようとしたりしている時に職場の先輩方が察してくださって、思いつめないようお声がけしていただくことがよくあります。心配性なので、前もっていろいろ準備したり、前倒しで取り組もうと自分でスケジュールをきつくしてしまったりするんですよね。なので、そうした時の声掛けが本当にありがたいなと思います。
うまく皆さんを頼りながら、自分の「心配性」を綿密な準備につなげるなど仕事で活かせるようにしていきたいです。その結果、自分もうまく人に頼れるし、逆に頼られる余裕もできるんじゃないかなと思っています。
コミュニケーション能力を磨き、グループ横断のコンテンツ創出につなげたい

▲休日は社交ダンスを楽しみます
私は、「あの人のあんなところがすてきだな、うらやましいな」と思うことが多くあります。どんな人を見ても、自分より優れている部分が目に留まるんですよね。負けず嫌いな性格ゆえか、すてきだと思うと同時に「自分がそうなるにはどこが足りないんだろう」と気になってしまうんです。そうやって自分の足りないところを強めていくことが、自分の努力の源泉かと思います。そんな中で、私が今一番フォーカスしているのは「コミュニケーション能力」です。いかに具体的に、わかりやすく伝えることができるかということは、仕事でもプライベートでも大切だと思っています。
じつは最近、プライベートで社交ダンスを始めました。昔の海外の映画で流れているような音楽に乗って踊るのが楽しいと感じて始めましたが、音楽に合わせてその場にいる人と楽しくダンスすることは、言語を超えたコミュニケーションだと再発見しました。
仕事においては、私たちインテージグループが大手通信サービスグループに入ったことも受け、活用できるデータも増えています。自社だけでなくグループ全体で持っている知見を掛け合わせていくことで、他社では真似できないものを作りたいと思っています。そこに、今磨こうとしているコミュニケーション能力が活きる予感もしています。
将来的には、医療のデータ分析を用いて食品の開発や動物の医療の発展を支援するコンテンツを創り出したいと考えています。食品業界や動物医療業界は、どちらも健康と密接に関わるため、医療データとつながる部分があるのではないかと思っているからです。
具体的にどんなコンテンツが作れ、実際に必要とされているのか。まだまだ解像度は低いのですが、現在の業務を理解し社内外の人とコミュニケーションをとる中で自分に何ができるのか考えていきたいです。これから自分がどういう価値を生み出していけるか模索中ですが、データを活用して誰かの助けになるものを作ることをめざしていきます。
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(所属・役職は取材時のものです)