2022.05.26
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チームワーキングを「ちょっとだけ」意識して働くために 【from talentbook】


データサイエンティストとして働いている、インテージの渕上(ふちがみ)。データサイエンスを武器にお客様のDXを支援することが、所属する組織のミッションです。そんな渕上がチームワーキングを広げるために、自作ツールの活用など、日々実践していることをお話しします。

チームワーキングってなんだろう

みなさんは「チームワーキング」って大切だと思うでしょうか。

「チームワーキング」という言葉にもいろいろなイメージがあると思いますが、ある書籍では、

“チームメンバー全員参加で、チーム全体の動きを俯瞰的に見つめ、相互の行動に配慮しあいながら、目標に向けてダイナミックに変化し続けつつ成果創出を目指す状態”

中原 淳、田中 聡 著(2021年)『チームワーキング』(日本能率協会マネジメントセンター)より抜粋

とされています。この説明を読んでみて、あらためて「大切そうだ」と思った方が多いのではないでしょうか。

一方、日ごろからチームワーキングを実践できているかというと、いかがでしょうか。実務に直結する能力を常日頃から学び続ける必要があるなかで、チームワーキングを意識し、学び、実践することが後回しになってしまっているのではないでしょうか。

私自身もデータサイエンティストとして、データサイエンスや営業・コンサルティングなどのスキルを学び続けなくてはならない現状があります。

そんな中で、やはりチームワーキングが大事だなと思った出来事が2つありました。

1つは、コロナ禍でリモートワークに移行し、メンバーの顔が見えない中、仕事を進めていく必要が生じたこと。もう1つは、今の所属組織の職務がデータサイエンス中心からデータエンジニアリング領域にも拡張したことで、チームメンバーの協力を得ることがより一層必要になったことです。

チームワーキングを広げるために(GWTマトリクス)



▲渕上作成のGWTマトリクス

では、どうやったらチームワーキングは浸透していくのでしょうか。

私は一人ひとりが「ちょっとずつ」意識することが大切だと思います。

チームメンバーはそれぞれが異なる強みや得意分野を持っていますから、その知識や経験をお互いに共有したり、協力して業務に取り組んだりできれば、日々の積み重ねで少しずつ業務を改善していくことはできるのではないかと思います。そうして、それぞれが知識やノウハウを共有していれば、スムーズに仕事が進むのではないでしょうか。

そこで、自分はチームワーキングを意識し行動に移せるように「GWTマトリクス」というものを作ってみました。

GWTマトリクスは、メンバーと業務を進める中で

-メンバーに対して自分の知見・ナレッジを伝授できたか(Give)
-メンバーとともに何かを成し遂げ、作り上げたか(With)
-メンバーの知見・ナレッジを自分自身の血肉とできたか(Take)

など、メンバーとの関わり具合を短時間で自己診断するためのツールです。

GWTは私がチームワーキングにおいて重要だと考える3つの要素で、Give(与えた)、With(ともに作り上げる・成し遂げた)、Take(与えられた・教えられた)の頭文字をとったものです。Give&Takeはよくご存じだと思うのですが、その間にWithを入れたものです。

具体的には、表を作って記入していきます。表の縦の列にはGWTの3つの項目を置き、横の列には具体的なメンバーの名前などを配置します。この表に何を埋めていくのかというと、働く中でそれぞれのメンバーに対して自分ができたGive、With、Takeの実績をどんどん記載します。書き方は自由です。

そして、書き出したものを、よくできた(青)・まあまあできた(緑)・全然できなかった(赤)、の3段階で色分けをしてみます。このマトリクスによって、自分がどのメンバーと「チームの一員として」業務に取り組めたかが浮き彫りになります。

言葉だけではわかりづらいと思うので、以下の写真もぜひ参考にしてください。10分程度で作れるのでやってみましょう。

実際に自己診断ツールを使って気づいたこと



▲たとえばこんな風に使います

実際にやってみると、すべてのセルが同じ色になる方はいないのではないでしょうか。

一部のセルは青だけれども、いくつかのセルが赤になってしまったという方がほとんどでしょう。そうなってしまうのは、日常的な業務の中で「意識しないとできないセル」と「意識せずとも自然とできてしまうセル」が存在するからです。

上位者からのTake(先輩からアドバイスをもらう、など)、若手に対するGive(悩み相談に乗る、など)は自然と青く塗られることが多いかと思います。逆に上位層に対してGiveするとか、若手層からTakeするという部分は赤で塗られ、意識的に行動しないとなかなかできないことが実感できるのではないでしょうか。

意識して行動するためにはメンバーをよく知ることが必要です。Giveするためにリーダーの困りごとに気を配る、Takeするために若手の知識やバックグラウンドを知る、ということが第一歩になります。

このマトリクスを基に、「起こすべき行動」について考えることもできます。「全然できなかった」を示す赤のセルについては、どんなことを知り、どんな行動をすれば赤から緑、青に塗り替えることができるか考えてみましょう。これを指針として行動することで、自身の行動を改善できるはずです。

そして、このプロセスを通して、チーム全体の動きを俯瞰的に見つめ、相互の行動に配慮しあいながら成果創出を目指す状態を作り上げることができれば、きっとチームワーキング力向上にもつながっていくでしょう。

私自身の場合でいうと、このマトリクスを記入してみると赤のセルが思いのほか多かったため、チームワーキング意識が不十分だと反省し、それ以来このマトリクスを頭の片隅に置いて日々の業務に取り組んでいます。

これ以外にも私の所属組織では、チームワーキング力を高める取り組みとして、自由参加の朝会・夕会や、不定期で出入り自由のWeb会議スペースをセットするなど、日々のコミュニケーションを活発にする取り組みを行っています。

雑談中心の場ですが、時折業務上の悩みなどのシリアスな話に発展することもあり、新卒1〜3年目の若手メンバーが多く参加しています。

チームワーキングは大事(互いに教え学び合うために)



「そこまでチームのことを知らなくても、日々の業務はできているし」という意見もあるかもしれません。とはいえ、個人と組織両方の成長を考えたとき、「人と人とのつながりが仕事につながる組織」というのは一つの目指すべき形ではないかと思うのです。

特に、インテージグループは新卒採用入社者も多く、部署内や部署を越えた横のつながりが強いので、これを活かさない手はないと思いますし、そういった気心知れたメンバーからの小さな相談がきっかけで深いディスカッションにつながれば、お互いにとって実りある仕事に発展しやすいのではないかとも思います。

また、「メーリングリストを通じた業務相談は、形式ばっていて問い合わせしづらい」という声の解決策になるかもしれません。

それに、「この部署の誰かに声をかけてみれば、その領域のスペシャリストを紹介してくれて、一緒に頭を悩ませてくれる」という認知が広がった状態を作り上げることが、もしかしたら組織の存在意義なのではないかとも思うのです。

データサイエンティストとして働く私自身のことになりますが、この界隈にも自動化・ツール化の波が来ており、自分が得意としている領域の分析も取って代わられるかもしれない、自分の仕事がなくなるかもしれないという危機感が常にあります。

そういった中で、自分ならではの強みを作り上げるために、アドバイスをしてくれる人や情報を共有してくれる人のつながりを活かすことは、とても大事なのではないかと思います。そういう意味でもチームの仲間のことは知っておきたい、と思うのです。

今回ご紹介したGWTマトリクスは、あくまでも一つのツールでしかありません。

大事なのは、日々少しずつでもチームメンバーについて興味を持ち、自身の業務に活かせる知識・経験は積極的に学んで自身の糧とし、逆に自身のスキル・ノウハウは遠慮なく伝授して活かしてもらうこと。

その積み重ねによって、自分自身、そしてチーム全体の業務クオリティを向上させていければと思います。


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(所属・役職は取材時のものです)

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カテゴリ:働き方