2020.04.10
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「チームで働く意味」を求めて──1on1で重ねた時間と対話が、自律と団結を生む 【from talentbook】


インテージ・アソシエイツでマネージャーを務める平野 ひとみ。彼女はチームを運営する中で、関係構築に課題感をもっていました。そしてそれに対する解決策として1on1の実施を決意。「なんとなく」で始めたこの施策は、どのようにしてチームに根付いたのか。そしてチームに何をもたらしたのでしょう──

仕事をする時間を楽しいものにするためには、自己開示が必要だ

私はインテージ・アソシエイツでマネージャーを務めています。その中で、うまく部下との対話が不足しているという実感があったので、1on1をすることを決めました。

1on1を始めたのは、2017年4月に、ホールディングスが先行してフルフレックス/リモートワークを開始した際に、「1on1MTGを推奨します」と言っていたのを知ってのことでした。

当時自分もやってみようと思ったのは、いろんな理由があったような気がしますけれど、一番は働いている時間が楽しい方がいいんじゃないかと思ったことです。

働くことに対して、人それぞれ価値観はさまざまだと思うし、それこそ割り切って働いている人もいると思います。

しかし、どんな人であっても、自分の価値を認めてもらいたいと思っている。それに、いろんな制約があったって、その中で何かやれることはないかって考えている人もいるし、その人なりの成長に喜びを感じているんですよね。もちろん私自身だってそうだということを、日々のやりとりで感じていました。

働いている以上はやっぱり価値を出さないとならない。であればもっと、「やりがいがあるな、やれることがあるな」って気持ちになってもらった方がいいと思うんです。

誰かにぶらさがって指示で動くだけだとそこにつながりません。そう考えると、私は機械のように作業をこなしていくような働き方はしたくないな、と。

とくにアソシエイツの社員は社会人経験を積んでいる人も多いので、なおさら、自主的にやってみて、自分・組織の成果につながることが実感できるといいんじゃないかなと思いました。

「なんとなく」で始めた1on1。初めはうまくいかなかった



▲19年度下期初めに送ったメール

始めたときは、そこまで1on1について深く理解して、効果があると考えてやり始めたわけではないです(笑)。

ホールディングスの資料で1on1について読んだのと、ちょうどチームメンバーが1on1の書籍を部内で共有してくれたのでやったら何か良くなりそうだな、と。

もうひとつは、チームの見直しがあって、これまで20人のチームだったのがより小さいチームになったので、より濃いコミュニケーションを取るチャンスかもと思ったんですよね。

その意味では今までのコミュニケーションについて自分の中で後悔もあったのだと思います。

どちらかというと人見知りな性格もあって、これまで濃いコミュニケーションを取れていなかったんです。

たとえば、仕事をする上でのベースとなる考え方や、プライベートの事情、といった点について話したことはなかったかもしれない。「自分も自己開示できる、相手も自己開示できる、それで話ができる関係」そういうのがいいなと。

でも、「じゃあ1on1をやろう」って言っても心の準備ができていませんから、本音のところまでは聞けないじゃないですか。まずはみんなが何を考えているか知りたいし、プライベートの相談でもいいし、業務の話でもいいし、フランクにやろうねという投げかけをしました。

こういった投げかけは、チームメンバーが変わるタイミングなどで2020年2月現在も実施しています。

そうして実際にやり始めたときは、全員と毎週1回実施していました。なぜ毎週なのか、といったところはホールディングスの資料にあったから。まずはそれを参考にやってみようというくらいでした。

初めのころは自分から話すようには意識していましたね。あえて努力をしていたかもしれない。話しやすいフランクな雰囲気というのも大事にしていました。

とはいえ初めは、お互い何話そうか、という感じで明らかにソワソワしていましたね。私が何を話してくるのか、探っている感じもしました。私も堅かったんです。

ちょうど繁忙時期とも重なっていたり、「成果が出るまで続けたい」という意地があったりしたので、また1週間きたわ、という感じにもなりましたね(笑)。

最初の1カ月では、互いに開示して話せていると思えるところには到達できなかった気がします。

しかし、半年以上経ったくらいで、その場が私にとっても安らぐ場、自己開示ができる場になっていきました。

もちろん業務の話ができる機会というのもあるんですけれど、いろんな話をできるという意味で、いい機会になっていきましたね。

「その場限りにしない」という意識が「やってよかった」につながった



▲とある週の1on1のスケジュール

1on1が“いい場所”になったのは、1on1で話した内容をその場限りにはしないことを意識していたからだと思います。

悩みを教えてもらったら、応えていきたい。変えてほしいことを聞いたら、互いに納得できれば変えるように動く。難しいことは難しいとフィードバックする。いずれにせよ聞くだけではなく、聞いて動くように心がけています。

自分のこういった気持ちや1on1が、独りよがりかもしれない、と自問したこともありました。

ですが、思い切ってメンバーに聞いてみると、1対1なので自分のことを聞いてくれている、目をかけてくれることが嬉しかった、と言ってくれて。「やって良かった」と思いましたね。

メンバーに良いものとして捉えてもらっているのが一番です。やらねばならないこととしてやっているのは良くないですし。

当初は週に一度やっていた1on1ですが、最近は少し頻度を落としてきています。あえて落としたということではなくて、自然にそうなったという感じです。多分適切な1on1の頻度が一律にあるわけではないんですね。

たとえば、新たにチームの仲間になった人は週1回からお願いすると思います。やはり、その人との関係性を深めるために必要な頻度だと思うんです。

「チームの人数が多いと頻度を高く実施することはできないのでは」と聞かれることもありますが、適切な頻度を互いに調整しながら実施し続けられている自負があります。

「チームを強くするために」1on1はこれからも続けていく



▲1on1について、明るく語る平野

目標達成(MBO)の観点でも、これまではMBO面談(半期)と、中間面談(半期)のときに「できなかったという状況がわかっていても、対処が間に合わない」状況があって。頻繁に確認することで適切な対処ができるようになりました。

1on1をやり始めてから、「今みんなはどう思っているかな」、「自分から聞きたいな」と思うことが増えました。

今は揺るぎなくやりたいなという気持ちです。彼らから学ぶ、得ることがあったなと思います。

一人ひとりの話から、すてきな考え方だな、と素直に思えることも多いし、組織の中にどういう“感じ方”が生まれているのか知れる機会でもあります。マネージャーとして変えていったり、進めていったりしないといけないこともありますが、何も知らないときちんと判断できない、とも思います。

今はメンバーからミーティング招集をしてもらっています。1、2カ月分くらいまとめて入れてもらっています。そうしないといつの間にか予定が埋まってしまって、1on1できなくなってしまいますから。

1時間でも何時間でもいいよ、と言っていますが、30分が多いですね。必要に応じて長くしたり短くしたりしています。

1on1が制度として浸透してきた今、「なぜ1on1をしているのか」をあらためて突き詰めると、その先にはチームを強くしていきたい、という想いがあると感じています。

私にとってチームで仕事をすることは「自分さえ良ければ良い」という状態ではないことだと思っていて。それは、助け合いやサポートがなければチームである意味がない、という風にも言えますが、一方で誰かがやっておいてくれればいい、と甘んじてしまうということでもないと思うんです。

一人ひとりが楽しく仕事ができる、そして自律的にチームへ貢献できる、そのために自分が整えられる環境は整えていく。そのための試行錯誤が1on1なのかな、と。これからも1on1を通してチームと向き合っていくつもりです。


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(所属・役職は取材時のものです)

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カテゴリ:働き方