車いす陸上で使用する道具について~車いす陸上アスリート・北浦が解説!②


こんにちは、インテージグループ所属の車いす陸上アスリート・北浦春香です。
今回は私が競技で使用している道具についてご紹介します。

競技用車いす(レーサー)

一番大事なものです!! レーサーは前に長く三輪で推進力を得られるようになっています。
フルオーダーのため、全長やひざの高さ、お尻の高さなど自分の体格に合わせて制作します。
ベルトの締め具合やクッションの厚みで選手がレーサーに座るポジションは大きく変わるので、ベストなポジションを探すのは簡単ではありません。
またトレーニングによる体格の変化や、フォームの変更のためにポジションを変えていくこともあります。

レーサーは長く使えるものではありますが、速さ、軽さを求めて2-3年ごとに新調する選手が多いです。私の今のレーサーは4台目です。
ちなみに…レーサーは車輪を外したフレームのみで約30万円、車輪を揃えて30万円。1台揃えると60万円くらいかかります。
最近は、フルカーボン素材製のレーサーも登場しており…お値段はけた違いです(笑)。

グローブ


レーサーの次に大事なグローブ!タイムを大きく作用する要素です。
グローブについては特別な規定がなく、アメリカで製作、販売されている既製品を使う選手もいれば、熱をかけると柔らかくなる樹脂を使って、自分用にカスタマイズして作る選手もいます。
私は樹脂製の手作りしたグローブを使用しています。
グローブ作りは奥が深く、絶妙な角度、厚み、高さを調整するのが本当に大変で、二度と同じものは作れないといわれています。
最近では最新技術を取り入れ、「コレ!!」というグローブを作った後に、3Dプリンタにかけて同じ物を量産するという技を使っている選手もいます。
ちなみに…海外に行くときには大事なグローブがロストすることのないよう、預け荷物には入れず、手荷物で持っていくのが鉄則です(笑)。

ヘルメットとサングラス


以前は短距離種目にはヘルメットは不要でしたが、今ではすべてのトラック種目で着用が必須になっています。
私はヘルメットについては特にこだわりが無いのですが、サングラスは必須です!
まぶしいからではありません(笑)。
「四年に一度の国際大会」のような大きな大会になると、スタート前には一人ずつ名前がコールされ、特大オーロラビジョンにアップで映ります。
もちろんテレビには映っちゃいます…。
ロンドンで初めて経験したのですが、恥ずかしく、どこを見てよいかわからず、、、以来試合では必ずサングラスをかけるようになりました。
どこを見ているかわからないよう、相手から見て目が見えないという点が最大のこだわりです。
国際大会では試合の約1時間前からコールルームでライバルたちと一緒に居なければいけないため、集中するという意味でもサングラスは必須です!
来シーズンに向けてはサングラスではなく、ヘルメットと一体型のシールドタイプに初挑戦します。

以上、私のレース道具、こだわりのご紹介でした!

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