2025.11.06

データの可能性を追求し、医療の未来を創る


アンテリオ(現インテージヘルスケア)に2016年に新卒で入社し、現在はインテージリアルワールドで活躍する佐藤達己。どんな思いでリアルワールドデータ※1に向き合っているのか、想いを聞きました。

※1
リアルワールドデータとは:日常的に収集された患者の健康状態や医療提供に関連するデータの総称であり、医療ビッグデータの一部として重要な役割を果たしています。医療研究や政策立案、製薬企業の新薬開発などに利用されます。診療報酬明細(レセプトデータ)や電子カルテデータ、健診データなどが該当します。

医療データ分析というキャリアのはじまり

現在、インテージリアルワールドという会社で、医療ビッグデータを取り扱っています。大学時代は統計学を専攻し、もともと「投票する」という人の行動にも強い関心があったため、「国政選挙と日本の公共事業の関係性」を分析する研究に取り組みました。

その延長で「データ分析を通じて人間の行動をより深く解き明かしたい」と思い、データを取り扱う仕事を選びました。データ分析を軸に、幅広い業務にチャレンジしたいと思いリサーチ会社を志望し、さらに医療従事者を対象としたデータのほうが回答率も高く、分析のしがいがあるのではないかと考え、ヘルスケア領域への就職を決めました。

アンテリオへの入社を決めたのは、面接での印象が大きかったです。学生の目から見て社会人、というと固いイメージを持っていましたが、この会社は役員の方々がフランクで、自由な雰囲気でした。ルールにあまり縛られず、自由にチャレンジできるのではないか、と感じました。

入社後は開発系の仕事を4~5年経験しクロスソリューション部門を経て、2020年にインテージリアルワールド(当時の社名はJMIRI)へ出向しました。その後、転籍という形を取り、インテージリアルワールドに所属しています。

好奇心を大切にデータに向き合う

もともと野球観戦などを通じて、状況を分析するのが好きなんですよね。「この場面ならあの選手を起用して、こう動けばいいのでは」と考え、それがはまったときに面白さを感じます。データ分析の魅力もまさにそこにあります。例えば、「この2つのデータを組み合わせれば、こうした事実が明らかになるのでは」と自分で仮説を立て、実装して検証し、仮説の妥当性を確かめていく過程に惹かれます。

こうしたアイデアが浮かんでくると、自分で手を動かして試さずにはいられません。仕事への姿勢は、いわば好奇心駆動型。新しい発見や課題解決への探求心が私のモチベーションの源となっているのです。

実際に、既存の複数調査を横断的につなぐ分析をやりたいと上長に直談判をし、サービス化のきっかけをつくったことがあります。当時、入社3~4年目の頃でした。この時の上長が、当時開発部長だった佐藤暢章さんで、今のインテージリアルワールドの社長です。

暢章さんがインテージヘルスケアからインテージリアルワールドに転籍して数年後に、私も転籍をしました。そういう意味では、暢章さんについてきている感じですね。新人が大規模データを扱う部署に配属されることは少ない中で、自分が例外的にその部署に配属され、以来ずっと一緒です。

その後も、自社売上に大きく貢献できた事例として、薬局の疾患予測※2への取り組みがあります。これはもともと暢章さんが「やったほうがいい」と言っていたことなのですが、実際にインテージリアルワールドに転籍後にこのサービス化に関与し、貢献することができました。

このエピソードからも分かるように、暢章さんは新規事業の構想を描いて、人を巻き込んでいくことに長けたリーダーです。そんな暢章さんについていきながら、最近では自身がチームをリードするようになり、自分のスタイルがわかってきました。

私はどちらかというと、自分で手を動かしたいタイプです。自分の意見も出しつつ、他の人の意見も聞きながらプロジェクトを進めていくのが好きです。メンバー全員が「これがあったら絶対いいよね」と思えるゴールを共有し、ディスカッションを重ねながら前に進んでいく――そんなチームにしていきたいと思っています。

※2
疾患予測とは:薬局の処方箋に記載されていない患者の病気を、機械学習により推定すること


▲佐藤暢章さんには、気軽に相談ができる(向かって右が佐藤達己)

新たなデータソリューションへの挑戦

私は、今あるものをずっと続けていくのは、「安定」というよりむしろマイナスだと考えています。だからこそ、常に新しいソリューションの開発に取り組んでいます。ありがたいことに、今の部署はデータを見ながらロジックを組み立てられる人、お客様に提供する画面の開発が得意な人など、多様なスキルを持つメンバーが集まっています。

そんな仲間と今、特に注力しているのは、異なるデータの組み合わせによる新たな価値を創出することです。レセプトは、個々のデータではわかることに限界がありますが、組み合わせればより多くのことがわかるようになると考えています。そのためには、自分たちの発想力が重要です。

その発想力を高めるために、個人的に気になった情報や最先端の情報を積極的にインプットし、日々チームメンバーと共有しています。そうすることで、私自身が気づかないところでメンバーが組み合わせを思いついて試してくれることがあります。なので、共有は大事だなと感じています。

また、お客様からの「こういうことできないの?」という要望も重要な出発点にしています。

組み合わせを考えることに執着しすぎて誰にも必要とされないものをつくってしまっては本末転倒なので、何気ない一言で発信されたお題を落とさず、集めていくようにしています。

もちろん、課題も多々あります。技術的な限界やお客様の既存システムとの整合性など、様々な障壁に直面することがあります。そういったときに、特に後輩が頑張って作ったものが受け入れられないときの説明には苦心しています。どのように成功体験を経験させてあげられるか、難しいと感じながら日々取り組んでいます。


▲仕事の会話も弾みます

データの力で医療の未来を変える

将来の目標は、他の会社ができていなくて世の中に必要なことを様々な手段を使って解決していくことです。特に、インテージリアルワールドのデータを活用して新たな可能性を切り拓きたいですね。お客様に「こんなこともわかるんだ」「こんなこともできるんだ」という驚きと価値を届けたいです。

ただ、これは1人の発想でできるわけではありません。みんなで議論を重ね、その先に今までできなかった新しいことができるようになって、より多くの人に受け入れられるようになる――そのプロセスを想像すると、やりがいを感じます。

リアルワールドデータの価値は、製薬会社の方々の判断を助けられる、ということだと考えています。

新薬開発の戦略立案や意思決定の一助となることで、医療の発展に貢献したいです。

これらのデータを統合し、製薬会社のニーズに応えることで、業界全体の効率化と発展に寄与したいと考えています。データの力で医療の未来を変える可能性を追求し続けたいですね。


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(所属・役職は取材時のものです)

カテゴリ:働き方