こんにちは、インテージグループ所属の車いす陸上アスリート・北浦春香です。
新型コロナのウイルスの影響を受けながらも少しずつですが平常運転に戻ってきた2022年シーズンは、あっという間に過ぎてしまったように感じます。それはきっと今シーズンがとても充実していた証拠だと思います。
今シーズンの目標として掲げていたのは、「国際クラス分けを取得すること」と「できる限り多くの試合に出場して、100メートルのタイムを19秒台に乗せること」でした。国際クラス分け取得のために2月には、コロナ禍以降初めての単独オーストラリア遠征を経験し、心身共に大きく成長しましたし、クラス分けを取得したことでトレーニングと試合により集中できたと感じています。
今シーズンは日本パラ陸上競技連盟の公認大会だけでも100メートルを7レース走ることができました。コロナ禍前と比較しても試合数としては多い方で、さまざまな困難な状況においても競技が続けられることをとてもうれしく思います。
シーズンのハイライトとして印象に残っている試合はやはり、6月の「第33回日本パラ陸上競技選手権大会」です。長らく19秒台から遠のいてしまっていた100メートルでしたが、国内の試合で公式記録として19秒60を出せたことは本当にうれしく、自信につながりました。自分自身が着実にステップアップしていることを実感した試合でした。
数かずのレースをこなしながらそのたびに収穫の多い、今シーズンを過ごせたように思います。私は「努力は必ず報われる」という言葉があまり好きではありません。これは報われた後でしか言えないことであり、私は「報われない努力もあるし、むしろ世の中には報われない努力の方が多いのではないか」とも思っています。でも今シーズンをとおして、「報われる努力もちゃんとある」ということを実感しました。
報われるかどうか分からなくても、自分なりに一生懸命取り組んできたことに後悔はないですし、何より皆さまに応援していただきながら無事にシーズンを終えられたことに感謝しています。
来年は「パリ世界パラ陸上競技選手権大会」(2023年7月8~17日開催)など、大きな大会の選考期間に突入していきます。さらなるステップアップができるように努力していきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
2022年の振り返りを締めたところですが、2023年に向けてさっそく冬季トレーニングを開始しました。
10月6、7日の2日間、福井県にて強化合宿を行いました。性別や障がいクラス※の異なるメンバーが互いの走力の違いを利用して、追われたり、追いかけたり、前を引っぱったりと、とても刺激的な時間を過ごすことができました。
陸上競技は個人種目ですが、タフなトレーニングも共有できる仲間がいることで一層高め合えます。相乗効果のおかげか、普段の練習の何倍もの量をこなしても、とても楽しく合宿を終えることができました。このオフシーズンに取り組むべき課題も見つけることができ、これからの走り込みがとても楽しみになりました。
合同トレーニングにお付き合いいただいた伊藤竜也選手(新日本工業所属)、吉野真旨選手(EY Japan所属)、帯同して現地でご指導いただいたコーチの村田さんには感謝の思いでいっぱいです。
オフシーズンはまだ始まったばかりですが、やるべき事を明確に、着実に前進できるようしっかりと積み上げていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。