2018.04.16
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「ビジネス×社会課題」でつながる人脈・広がる経験~プロボノだからできること


プロボノは、職業上持っている知識やスキル、経験を生かして社会に貢献するボランティア。近年、「パラレルキャリア」(P・Fドラッカーが『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)で紹介)という言葉も使われ、プロボノをとおしたスキルアップや夢の実現、社会課題の解決への注目が高まっています。

インテージグループにも社会に関心を持ち、自身の知見を生かしてプロボノに取り組む社員が多くいます。今回は、インテージでプロボノを実践している若狭僚介さんに、活動のきっかけや、社会との関わり方、プロボノで得られたことなどインタビューしました。

開発途上国の支援への思い~食を通じた社会貢献


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社会貢献を始めたきっかけを教えてください。
若狭
小学4年生のころ通っていた英語塾の講師が、社会問題への関心がとても高い人でした。その影響を受けて、社会問題に対して早くから興味を持っていました。
学生時代にTABLE FOR TWO International (以下、TFT)を知り、自身の通うキャンパスでも協力したいと活動に力を入れ、大学2年の時には代表を務めました。現在もこのTFTで、学生の活動や組織運営をサポートしています。 ほかにも「食を通じて社会貢献ができないか?」と、フードバンクでボランティアをしたこともあります。
アフリカなどの開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む特定非営利活動法人(認定NPO法人)。「二人の食卓」という団体名のとおり、開発途上国の子どもたちと食事を分かち合うというコンセプトで、専任スタッフと約1000人の学生ボランティアが活動している。対象となる定食(学食、社食など)や食品を購入すると、1食につき20円がTFTを通じて開発途上国の学校給食(1食分)に贈られる仕組み。そのほか、食に関わる数々のキャンペーンを実施している
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学生から社会人になると、自由になる時間は限られますよね。ライフステージが変わっても、TFTの活動を続けている理由はなんでしょうか?
若狭
私は開発途上国に関心があり、将来は何かしらのかたちでアフリカに貢献したいと思っているんです。継続してTFTで活動している理由は、専門性の高いNPOでソーシャルビジネス(社会課題をビジネスの手法で解決しようとする取り組み)について学べるから。今の社会問題や解決すべき課題をキャッチアップでき、間接的であっても開発途上国を支援することで自分の目標も満たされると感じているからです。ボランティアは誰かのためではなく、自分のために続けているので、やりがいはとても感じます。
それに、人のつながりが私の財産になっているとも思っています。実は、TFTのロゴのデザインなどを手掛けた広告代理店とは、現在はクライアントとしてお付き合いがあります。また、各都道府県にあるTFTの学生支部との交流のおかげで、全国各地に知り合いがいて、そのネットワークは仕事でも生かせています。

本業のスキルや知見を社会のために生かしたい


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人とのつながりは、ビジネスでも大切ですからね。では、社会人になり社会貢献活動の内容はどのように変わりましたか?具体的に教えてください。
若狭
はい、継続的にTFTの活動を支援しているほか、学生の時から関わっていたメンバー9人とともに「TFT社会人チーム TABLE FOR TWO Calorie Commons(カロリーコモンズ)」として活動しています。メンバーは大学卒業後、それぞれメーカーやIT企業などで働きながら、本業で培ったスキルや知見、人脈を生かして社会課題の解決に貢献したいという共通の思いを持っています。そのため、私たちの社会貢献活動はいわゆる「プロボノ」になったと言えるのかもしれませんね。
この社会人チームが今回、一般社団法人東の食の会とコラボレーション。福島県内の農産物生産者と協力して「福島そだちのセミドライフルーツ」を企画開発、発売するプロジェクトに関わりました。私は現在、流通や広告、メディアビジネスの営業に携わっていて、実は、自分が製造を担当する機会はほとんどありません(笑)。でも、マーケティングリサーチ会社に勤務しているということで、この商品の開発につながった自主企画調査をチームの先輩とともに担当しました。調査の中で、今後TFTに期待する活動への参加方法を聞いたところ「お菓子やおやつを通じて」と半数以上が回答しました。そんな声に応えて企画開発したのが、TFTへの寄付付きの商品「福島そだちのセミドライフルーツ」です。
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おやつを買うことが、どのように社会貢献につながるのですか?
若狭
売り上げの1%がTFTに寄付され、開発途上国の学校給食を支援することができます。この商品はおやつとして気軽に手に取ることができる上、社会貢献とおいしさ、ヘルシーさを兼ね備えているんです。また、TFTの活動に賛同してくれた福島県内の生産者とつながり、福島産の果物の魅力を伝えるとともに、東日本大震災からの復興を進める「元気な福島」のアピールや優れた県産品の後押しもできました。
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食料・健康問題の解決への貢献と被災地支援ができる、win-winの取り組みですね。このような企画は、社会人メンバーそれぞれの思いと携わる本業があってこそ、生まれたのだと感じます。若狭さん自身は、プロボノやビジネスと社会貢献活動の両立について、どう考えていますか?
若狭
さきほど、「人とのつながりが財産」とお話ししたとおり、実際このような活動をしていると、「世の中のこと」に詳しい人に多く出会えます。年齢も経歴もさまざまで、これまでに「自分の視野は狭く、考えにも偏りがあったな」と思い知らされることがありました。おかげで社会をいい意味で俯瞰(ふかん)できるようになり、世の中をよい方向に進ませるための伝え方も学べています。

プロボノだから、得られること~原点は「社会問題への興味」


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若狭さんはプロボノ活動が仕事にもよい影響を与えているようですね。
若狭
私は営業職でクライアントにデータを提供するのが仕事。でもプロボノを通じて逆の立場を経験することができるのです。クライアントの立場に立つと、求めるものが変わるし、違う視座で考えられる。仕事以外の立場や役割を経験する機会は、なかなかありませんよね。
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最後に、プロボノをとおして得たことやプロボノに興味がある人に伝えたい思いを教えてください。
若狭
根本にあるのは「社会問題に興味がある」こと。同じように感じている人ならば、本業とは違う業界と関われ、学ぶ機会が増えるプロボノはとてもおもしろいと思います。でも、ソーシャルビジネスや社会貢献に興味があるけれど、何から始めたらいいか分からないという方も多いかもしれません。私は、プロボノをとおして人や社会と関わることを楽しんでいます。社会に興味を持って自発的に関わることで、ビジネスの交流や仕事の幅が自然と広がっていますね。また、予算の少ないNPOやNGOに対して、インテージグループが調査やマーケティングを支援することも有意義ですよね。
社会課題の解決に向き合う活動を継続的に支援するには、リソースの確保、つまり企業や会社員などの参画が欠かせないと思っています。
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社会的感性を高め、視野を広げる効果がプロボノにはありそうですね。

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