「自分らしく働く」ことの意味~仕事と育児の両立支援ワークショップから~


こんにちは。広報担当のサティです。
皆さんは「自分らしく働く」ことについて考えたことはありますか?なんとなく芯が通ってかっこいいイメージがありますが、具体的にはどのようなことでしょうか。

インテージテクノスフィアは2月、「仕事と育児の両立支援」のワークショップを行いました。自分らしく子育てをしながら働くためのヒントを得られるワークショップ。どんな気づきが得られるのか、取材をしてきました。

そもそも両立支援の取り組みを企画したいきさつを、人事担当の建部はこういいます。
「これまで子育て中の社員に対してあまりサポートできていませんでした。子育て中の社員に、自分に合った仕事と育児のバランスを考えるきっかけにしてほしい、同じ境遇のメンバー同士で思いを共有する場にしてほしいという思いがありました」。

今回は、育児休職中の社員を含む、13人が参加。このテーマでは、参加者は女性だけ?いえいえ、参加者の半数がなんと男性でした。若手から管理職まで、部署や役職を越えてさまざまなメンバーがグループに分かれて、プライベートな話を繰り広げる・・・こういう機会はかなりレアかもしれません。

自己紹介で、それぞれ子どもの年齢や生活環境を共有すると、「旦那さんは子育てに協力的?」「夫婦で話す時間はある?」「学童には入れた?」など自然と会話が弾んできます。

そんなわけで場はすぐに和み、ワークショップがスタート。


ちなみにこのワークショップは、自分らしく子育てしながら働くための工夫を「34個のことば」としてまとめたパターン・ランゲージを活用し、これまでの日々の生活を振り返り、自分に合った工夫や働き方について考えていくもの(今回のパターン・ランゲージ「日々の世界のつくりかた:自分らしく子育てしながら働くためのヒント」は、花王株式会社生活者研究センターと慶應義塾大学井庭崇研究室の共同プロジェクトによって制作されました)。
34枚のカードには「両立の秘訣」が大きく書かれています。たとえば「ポジティブな割り切り」「頑張りへのご褒美」「心の声に従う」など。そしてどんな状況のときに、どのような問題が生じやすく、どのように解決すればいいかがアドバイスのように小さく書かれています。

パターン・ランゲージは、状況に応じた判断の成功の経験則を記述したもので、成功している事例の中で繰り返し見られる「パターン」が抽出され、抽象化を経て言語(ランゲージ)化されたもの

悩みのシェア

早速一つ目のお題、「悩みや不安のヒントを探ろう」。
「悩みや不安」の助け、ヒントになりそうなカードを選び、なぜそのカードを選んだのか理由を書きだします。悩みや不安を聞いてみるとこんな声があがりました。

  • 子どもの夜泣きがひどくて、このままだと復帰できるか心配
  • 仕事をがんばりたいけど、かわいい盛りの子どもとの時間を十分に取れなくなる
  • 帰りが遅いので、子どもとの時間がなかなか取れない。たまに一緒に寝ようとすると子どもが泣き出す
  • ママには勝てない・・・
  • 父親として生き方や考え方を子どもに残せるようにしたい

ある男性社員は「仕事とプライベートが9:1の時もあったけど今は子育てを重視したい。両方の充実は理想だけど難しい。時にはアンバランスでもいいんじゃないか」という気づきがあったそう。
またある女性社員は「震災のとき、夫が迎えに行けず、自分のミスのリカバリーでどうしても帰ることができなかった(祖母に迎えを依頼)。あんな大事な時に子どものそばにすぐ行けなかったことを悔やみました。今も納期がギリギリで仕事をしている時に、呼び出しの電話があるとどうしようもなく辛い」と話していました。
まわりに小さなお願いをしないといけないけれど、そう簡単にはできないかもしれません。


ポジティブな気づき

次のお題は「できていることを探そう」。これは今、できているな、やっているなと思うカードを選んで記入します。できていることも意外とあると気づいたり、グループで共有して褒めてもらったり。子育てが仕事に及ぼすプラスの影響も多々あるようでした。

  • 子どもの送り迎えや洗濯などの家事分担ができていて、家族が“安心のチーム”になっている
  • 子どもを持つようになってから、部下に対しての理解が深まり、メンバーへ気遣いもできるように。チームビルディングにも好影響が!?
  • 子どもに愛を伝えている(毎日ハグをする)
  • 時間管理ができるようになった

両立は大変な面ばかりではなく、メリットもあることが、話をしながら再認識できたようです。


自分を理解して「私らしく働く」

最後に「これからつくる私らしい日々」を書き出します。
自分はどんな暮らしがしたいか。「こうしてみよう!」「こんな私になろう!」「こんなことに取り組んでみよう!」「こんなことを大切にしよう!」ということをあらためて考えてみます。
限られた子どもと過ごす時間に何をするか、何をしてあげられるか、一番頭を悩ませるところかもしれません。思いをシェアしたことで、理想どおりの子育てでなくても自分らしくできればいいという前向きな気持ちになった人もいたのではないでしょうか。


「自分らしく働く」ことの意味。自分を理解して、大切にしているものを守り、家でも会社でも笑顔でいられることなのかなと思いました。

両立支援は皆で考える問題。仕事との両立を考えるときには育児だけでなく介護も欠かせません。病気やけがの治療との両立も支援が必要です。ジェンダー・ギャップ指数が121位/153カ国中と課題が多い日本。「ジェンダー平等」については、男女問わず、当事者問わず考えていく必要がありそうですね。

新型コロナウィルス感染拡大の影響で今、「働き方」が注目されています。さらに全国の一斉休校が社会で波紋を広げ、あらためて仕事と子育てにおける課題が浮き彫りになっています。この事態をプラスにとらえ、一人ひとりが最適な「自分らしい働き方」を考えるきっかけにしていきたいです。

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