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3年目の挑戦! 滋賀大学、コープさっぽろ、インテージによる産学連携「データサイエンス人材育成プロジェクト」

3年目の挑戦! 滋賀大学、コープさっぽろ、インテージによる産学連携「データサイエンス人材育成プロジェクト」

 

インテージグループはサステナビリティへの取り組みの一つに、「明日を拓く人材を育成・輩出します」を掲げています。インテージグループとして、ビジネス力を起点に、「データサイエンス力」と「データエンジニアリング力」を強化し、データ価値向上を担う人材の育成につなげ、人材の社会での幅広い活躍を支援することを目標としています。

その取り組みの一環として、2019年から滋賀大学データサイエンス学部の河本薫教授のゼミと統計技術とビジネスの課題解決力の習得を目的としたデータサイエンス人材育成プロジェクトを推進しています。

※1年目の産学連携ゼミに関する記事はこちら
 「滋賀大学河本教授の前期ゼミを終えて ~産学連携:データサイエンス人材育成プロジェクト~
※2年目の産学連携ゼミに関する記事はこちら
 「2年目を迎えた、滋賀大学との産学連携「データサイエンス人材育成プロジェクト

 

今年度は、リアルな売場を展開しているコープさっぽろ様と連携し、数的理論だけで終わらず、実際の店舗の状況やビジネスの意思決定を踏まえた施策の検討に挑戦します。また、コープさっぽろ様の売場で販売施策の効果検証を行うことも検討しています。

3年目を迎え、より進化した今年度の本プロジェクトについて、河本薫教授からコメントをいただきました。

 

―産学連携の教育を通じて、「分かる」と「役立つ」との違いを学んでいただき、社会に通じるデータサイエンティストを育成する

 

 

インテージさんとコープさっぽろさんのお力添えで、滋賀大データサイエンス学部の学生に、リアルな消費行動データを分析して販売施策の立案に挑戦する機会をいただきました。

この貴重な機会をしっかりと活かし、学生には、データから仮説を見出す力や、データによる根拠づくりとその限界、実現性や効果のある施策の立案について学ばせたいと思っております。

3回生の春学期にこのような場を与えることで、学生は「分かる」ことと「役立つ」ことの違いを意識し、「役立つ」意識をもったデータサイエンティストに成長する礎を築けると思っております。

また、今年からご協力いただく、生活協同組合コープさっぽろ川崎正隆部長から本プロジェクトに対する思いをいただきました。

 

―データサイエンスの学生に、データと分析とは手段であり、施策の納得性こそビジネスにおいて大事な本質があることを学んでいただきたい

 

 

弊協は1998年にPOSデータの開示をスタートし、データ分析に基づく売場改善に取り組んで参りました。その活動の中でご縁をいただき、この度、手前どものデータとデータからの気づきを実践する場として売場の提供をさせていただく事にいたしました。

私自身、分析業務から弊協でのキャリアをスタートしました。分析に携わってきた人間として、データサイエンティストを目指す滋賀大学の学生の皆さんが、インテージ様、河本先生という最強の布陣でのサポートを受け、手前どものデータ分析に取り組んでいただく事、本当にワクワクしております。新たな知見に出会えることを大いに期待します。

本ゼミにおいて、データと分析手法は、課題や施策を納得してもらうための手段であって、解ではないのです。本ゼミにおける解は、自身が考えた課題に対して解決する施策を納得してもらうことなのです。そのために、プレゼンテーションのスキルや施策における論理的なまとめ方などのデータサイエンスとは違うことも必要になってきます。

最後に、当初から本プロジェクトの講師として参画しているインテージの増田純也からも今年の本プロジェクトの意気込みをコメントしています。

 

―3年目を迎えて、よりビジネスに近い形の授業環境が整ったことで、ビジネスで活躍できるデータサイエンティストを本プロジェクトからより多く輩出していきたい

 

 

滋賀大学河本ゼミとのインテージグループとの本取り組みも、おかげさまで3年目を迎えました。

今年度は、コ-プさっぽろ様にもご協力いただき、分析結果のみならず施策の実現可能性を考慮した、よりビジネスに近い形でのPBL(課題解決型)授業を行えることになりました。「自分が学生の時に、このような授業があれば」と今の学生を羨ましく思います。

同時に、このような貴重な授業に関われる事を大変喜ばしくも思っております。少しでも学生の皆さんが立派なデータサイエンティストに成長できるように、精一杯協力させていただきます。

 

―2021年7月の最終プレゼンまで、全15回のゼミを実施

本プロジェクトは、4月から7月までの全15回で構成されています。

学生に対する課題は、「コープさっぽろのチョコレート売場の売上を向上する」です。

 

4~5月:コープさっぽろ様とインテージが提供するデータの理解や「Python」などのツール活用、分析手法を学習

6~7月:データ分析した結果を元にした販売施策の検討

 

6月の一次発表は、北海道のコープさっぽろ本社にて実施し、売場関係者へのヒアリングなども予定しています。7月の最終発表では、コープさっぽろ様にチョコレートの売上向上施策をプレゼンテーションします。

 

学生からコープさっぽろ様が実際に実施したいと思うような施策が生まれ、リアルな店舗での効果検証につながる成果がでるかどうか、ワクワクしながら本プロジェクトを見守っていきたいと思います。

 

・河本薫教授プロフィール

滋賀大学データサイエンス学部教授
兼 データサイエンス教育研究センター副センター長
元 大阪ガス(株)ビジネスアナリシスセンター所長


1991年、京都大学応用システム科学専攻修了。大阪ガスに入社。
1998年から米国ローレンスバークレー国立研究所でエネルギー消費データ分析に従事。
帰社後、大阪ガスにてデータ分析による業務改革を推進。
2011年からデータ分析組織であるビジネスアナリシスセンターの所長を務め、大阪ガスにおいてデータ分析組織を定着させた。
日経情報ストラテジーが選ぶ初代データサイエンス・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2018年4月より現職。大阪大学招聘教授を兼任。博士(工学、経済学)。
著書に『会社を変える分析の力』(講談社現代新書)、『最強のデータ分析組織』(日経BP)など。
NHKプロフェッショナル仕事の流儀にも出演。

 

・講師プロフィール

川崎正隆
生活協同組合コープさっぽろ 店舗本部マーケティング部長 兼ギフト部長(農学博士)
関西大学商学研究科非常勤講師


2008年、北海道大学農学研究科博士課程修了後、菓子卸に就職。スーパー等の営業を担当。
2010年、営業担当先のコープさっぽろに出向し、ID-POSデータ活用の立上げに携わる。
2011年、コープさっぽろ入協。2016年マーケティング部部長を経て2020年より現職。
店舗事業の販促業務、データ分析業務および分析教育に従事している。
増田純也
株式会社インテージ
事業開発本部 先端技術部 研究開発グループ


2005年、立教大学大学院 社会学研究科 応用社会学専攻博士前期修了。フリーランサーとしてマーケティングデータ分析を開始。
2012年、電通マーケティングインサイト入社。
2014年、株式会社インテージ入社。ソリューション開発、POSデータ解析を経て、現在は社内外のデータサイエンス人材育成に従事。

 

・著者プロフィール

中島 慶久
株式会社インテージホールディングス
経営企画部 / R&Dセンター


ソフトバンク、トムソン・ロイターを経て、マーケティングリサーチ会社で事業企画・商品企画に従事。
2017年、インテージ入社。先端技術部門・R&Dセンターにて最新技術や新規事業分野の開拓を担当。
2020年7月より、経営企画部とR&Dセンターを兼務し、グループ経営企画、グループシナジー推進、アカデミア連携推進に従事。

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