2017.07.11
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「ありのまま」でよかった~インテージリサーチが「えるぼし」(三つ星)を取得できたワケ


インテージリサーチは3月24日、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定の三つ星と呼ばれる最高ランクの3段階目を、マーケティングリサーチ業界で初めて取得しました。「えるぼし」を取得した企業には、「社を挙げて『ダイバーシティ推進』『女性活躍推進プロジェクト』などの組織を作る」「女性に特化した研修や、制度を設ける」などの例があります。そんな中でインテージリサーチが、特別な取り組みをしていないにも関わらず、「えるぼし」を取得できた背景やワケとは?
インテージリサーチで公共サービス事業部の副事業部長を務める土屋薫さんに、女性が活躍できる社風、「えるぼし」取得のいきさつ、インテージグループで働くことについて聞きました。

気付いたら女性が活躍していた、、、そんな社風


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社内で女性活躍推進の話題が出ると、「うちはもともと女性が活躍しているよね」と言う社員が多いですよね。肩肘張って「女性活躍」と言わなくても、すでに女性が男性と変わらずに活躍しているイメージでしょうか。
土屋:
私が入社した時、配属先には既に女性の管理職がいました。その方が話してくれたことは印象的で今でも覚えています。「昔はこの会社でも、女性がお茶くみをしていたのよ。それをなくしたのは私たち組合婦人部よ。『なんで女性だからってみんなの机の上を拭いたり、お茶入れたりしなくちゃいけないの?』って言ったのよ」と。いまから20年も前のことです。
そのころすでに、女性が声を上げて、それが通る社風があったのですね。古参の社員が口をそろえて言うには「育休などの制度も、法律ができる前に自分たちで勝ち取ったんだ」。インテージグループの歴史の中で、労働組合が果たしてきた役割は大きいと思います。いまは、こういうことを知らない社員も多いのですが・・・。
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いま当たり前のように感じている環境には、苦労して勝ち取った歴史があるのですね。インテージグループの中でもリサーチならではの特徴はありますか?
土屋:
地理的な特徴・・・東京都下の東久留米市に本社オフィスを置いていることは大きいのではないでしょうか。さまざまな理由で都心まで通うことが難しい優秀な女性に、「通勤時間が30分くらいならフルタイムで働けて、時間を有効に使える」と考えてもらえているのではないかと。この立地をあえて選んでくれている人もいるくらいなので、女性が多い理由の一つに挙げられると思います。実際、いまインテージリサーチではパートさんも含めると、女性従業員の割合が78%。冷蔵庫や電子レンジが各階に設置しているところは、女性の声が生かされているという感じですよね。

時間に制約のある社員が一人いることで変わる、チームの意識


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マネジメントの面で、業務と生産性について感じていることはありますか?
土屋:
働き方という視点で言うと、時間に対する意識は女性の方が高いように思います。2年前に転職してきたワーキングマザーの社員は、午後5時半に帰るために業務を段取りよくこなしています。また、急に休まなければならない場合に周りが対応できるよう、フォルダ管理をしっかり行い、メンバーと小まめに情報共有しています。
彼女の働き方をまねすることで、チームのメンバーに効率的な段取りや情報共有に対する意識が高まり、いい影響が出始めています。定時後の会議はナンセンスだし、働き方を考えるきっかけにもなっています。
時間に制約のある社員がいることで、かえってチーム全体の生産性は高まると思います。

「えるぼし」取得のいきさつ


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今年3月に受けた「えるぼし」認定。取得を熱望したのは土屋さんの部署だったとか?
土屋:
部内のメンバーが昨年6月に内閣府の説明会に出席して、「これは取るべきでは」と提案してくれました。「えるぼし」取得の条件を見て、「これなら全部クリアできるはず!」と思い、その日のうちに経営陣に話しました。事業との相乗効果も期待できるということで、申請に向けて準備する体制を整えてくれました。規模が小さい会社ならではのフットワークの軽さではないでしょうか。柔軟性とスピード感がある会社で良かったなと思います。そのあと経営企画部のメンバーには、書類を揃えたり、役所からの問い合わせに対応したりという実務的な面で、いろいろと尽力してもらったことを感謝しています。
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「えるぼし」を取得しましたが、土屋さんには「このままではいけない」という危機感があるそうですね?
土屋:
私が10年ほど前にJ-Win※1に加入したころは、「インテージにはフレックス勤務制度があって、フリーアドレスというワークスタイルがあって、女性でも自由にモノが言える社風でうらやましい」と言われていました。
けれど、この10年で社会は確実に変わりました。「202030※2」というスローガンのもと、女性管理職を増やすなどの取り組みが進められ、女性活躍がだんだん当たり前になってきましたよね。J-Winに加入している企業には、プロパーから役員候補となる女性を育てなければという意識がかなり高まっているように思います。
一方、インテージグループには「女性管理職の比率は高いし、女性に対して特別なキャリア支援をしなくても大丈夫」という安心感があるのが実情。このままでは、他社の追随により女性が働きやすいというアドバンテージがなくなります。働く人に選ばれる企業であるために、また一つ先を行かなくてはいけないという危機感をもっています。こう思うのはいま、私がJ-Win に加えてJDN※3にも参加するようになり、他社の動向を目の当たりにしているせいかもしれませんね。
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最後に、土屋さんが「一緒に働きたいと思う人」を教えてください。
土屋:
世の中の動き、人や暮らしに関心を持っている人。社会に対してアンテナがきちんと立っている人。「なんでこうなんだろう?」と常に思える人。新しいことを楽しめる人ですかね。
女性が活躍できる企業は、従業員誰もが活躍できる企業ですよ。


※1
「特定非営利活動法人ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク」(NPO法人 J-Win)とは、企業におけるダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援することを目的に、2007年4月に設立された企業メンバー制の団体
※2
「202030」とは、社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%程度とする政府の目標。100人以上の民間企業では課長職相当の割合を指標としている。
※3
JDN(一般社団法人ジャパンダイバーシティネットワーク)とは、ダイバーシティ推進に取り組む公益法人/業界団体/NPO/NGO/経済団体/教育機関/地方団体等、各種団体が連携して活動する民間主催のプラットホーム。2014年4月に設立。

「えるぼし」とは(厚生労働省ウェブサイトより)
女性活躍推進法に基づく認定制度。女性活躍推進法に基づき、行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍に関する取組の実施状況等が優良な企業は、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができる。評価項目は以下の5つ。
(1)採用(2)継続就業(3)労働時間等の働き方(4)管理職比率(5)多様なキャリアコース
2017年3月末現在、全国で「えるぼし」を取得している企業は291社。そのうち最高ランクの3段階目を取得した企業は196社。

厚生労働省「女性活躍推進法に基づく認定制度」(PDF 524KB)

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カテゴリ:働き方